コラム 認知症って?

せん妄とは

せん妄とは、脳の機能が一時的に低下した状態で、軽い意識障害や注意障害を中心にさまざまな精神症状がみられます。

症状

  1. 現在の時間や場所がわからなる。
  2. 最近のことを思い出せなくなる。
  3. 普段なら出来ていることが出来ずに混乱する。
  4. 虫がいる、ヘビがいるなどと言って騒ぐ。
  5. イライラして興奮したり怒りっぽくなる。
  6. 落ち着かずにウロウロし続ける。
  7. 日中も半分寝ているような寝ぼけたような状態が続く。
  8. 人が変わったような様子になる。

1日の中でも症状の変動があり、夕方に悪くなりやすい傾向があります。

せん妄は高齢者や重症患者に多く見られますが、誰でも発症する可能性があります。

高齢者のせん妄は認知症と間違われやすく、周囲からは「急にボケた」「急に認知症がすすんだ」などと言われたりします。

認知症の主な原因疾患は、脳の変性疾患であるアルツハイマー病が一番多いわけですが、その場合認知機能の低下はゆっくりとすすむものであり、急になるものではありません。

急な認知症では前述の【treatable dementia】も重要ですが、せん妄を見逃さないことが重要となります。

原因

せん妄の原因はさまざまですが、感染症や薬剤の副作用、手術や入院などのストレスなどが挙げられます。

例えば、

  1. 急に入院することになり、日中はウトウトしており、夜になると大声を出す、点滴を引き抜くなどしてしまう。
  2. 手術後に夜中自分を呼ぶ声がするなどと言って大声で返事をしている。
  3. キッチリと身の回りのことを出来ていた人が、急に一日ボーとして過ごすようになり、検査すると感染症にかかっていた。
  4. 入院したら、ボーっとしていて身の回りのことも出来なくなってしまった。

などといったことが見られます。

せん妄は認知症ではなく、意識障害の一種です。
身体疾患が隠れていることが多く、早期に発見して対応することが必要です。

ご家族が急にボケたなどと感じるときは、早めにご相談ください。

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