公益社団法人射水市医師会

皆さまこんにちは。公益社団法人射水市医師会会長の野澤寛でございます。

令和7年は平成17年の市町村合併から20年目の節目となりますが、当会は平成20年に新湊市医師会と射水郡医師会が合併して射水市医師会となり、3年後の平成23年11月に公益社団法人射水市医師会となり本年は15年目となります。

私が射水市医師会会長を引き継いだのは令和5年2月でしたが、同年1月の木田和典前会長の急逝を受けての交代でした。あれから2年が経過しますが、医師会や医療にかかわる環境には多くの変化がございました。

令和5年5月の「新型コロナウイルス感染症5類移行」により人の交流は回復し、令和6年1月の「令和6年能登半島地震」の発災では富山県医師会を中心に各郡市医師会同士あるいは関係多職種との連携が強化され、同年6月の「令和6年診療報酬改定」により、公定価格がベースの保険診療を行っている私たち医療機関では物価の高騰や人件費の増大に対応し切れずに経済環境は苦境に陥りました。市民の皆さまの医療機関が『ある日突然無くなる』ことが無いように、次年度の診療報酬改定に向けて日本医師会を中心に関係各団体が改善を求めた動きをしていますが、まさに医療機関の生き残りをかけた瀬戸際と痛感いたしております。

令和7年4月現在の射水市医師会は会員数が106名であり、2つの総合病院(射水市民病院、真生会富山病院)を含む49の医療機関により運営しています。本年は団塊の世代全員が後期高齢者になる年であり『2025年問題』と呼ばれていましたが、今後は団塊ジュニア世代が高齢者になる『2040年問題』が唱えられています。地域医療構想調整会議の考え方に準拠し、地域包括ケアシステムを中心とした地域で完結できる医療・介護体制の強化について、前述の2総合病院や行政および関係多職種との協議を重ねている所です。また高岡医療圏の3市(高岡市、射水市、氷見市)医師会の連携はより一層重要であり、救急医療や在宅医療など多くの課題について同じく協議を重ねており、地域住民の皆さまの視点に立った柔軟な協力体制の構築を目指しているところです。

学術団体である医師会では、令和6年度に射水市医師会学術講演会を9回行い、このほかに射水市糖尿病Day2024、認知症初期集中支援事業講演会、多職種連携研修会、多職種協働事例検討・研修会、市民公開講座、在宅いみずネット講演会、三師会講演会を開催、また新規事業として医療安全講習会、射水市民病院・射水市医師会病診連携の会、など合計17回もの講演会を主催いたしました。当会の講演会は令和6年度から対象を医師会員限定から医療・介護・障がい福祉等の多職種に拡大し、可能な会ではWeb同時配信を行うことで聴講者数が増加しております。多くの皆さまに聴講いただいておりますので、今年度も色々と企画して参りたいと考えております。

在宅医療においては需要の急拡大への担い手不足は喫緊の課題であり、持続可能な支援体制を構築する必要があります。射水市医師会内にある『在宅医療いみずネットワーク』では令和5年に行った会員調査をもとに、元来の主治医-副主治医制に準ずる体制を、当会の2総合病院の協力とICT(トリトラス)の活用により確立すべく調整しています。この体制づくりは、来るべき高齢者救急の時代を総合病院および多職種と共に支えるためにも、有意義なものと信じています。

この他にも園医や学校医として乳幼児・児童・生徒の保健事業、また特定健診・後期高齢者健診・がん検診などの成人保健事業、あるいは予防接種事業や介護保険事業などの多くの事業におきまして医師会員が行政や関係機関と協力して市民の皆さまの健康や安心のために尽力いたしております。

さて現在の鉄筋造りの射水市医師会館は、39年前の昭和61年に当時の射水郡医師会により新築され、14年前の平成23年に改修工事が行われていますが、昨年の点検にて複数個所の雨漏りが確認されており、今後大掛かりな屋根の防水工事等が必要と診断されました。先人たちの思いが詰まった現会館を、これからも大切に使っていきたいと思っておりますので、工事中は皆さまにご迷惑をお掛けすることもあるかと存じますが、ご理解いただきたく報告させていただきます。

わたしたち射水市医師会は会員の力を結集して今後も市民の皆さまに寄り添う存在となるべく、行政や関係機関と連携・協働して公益に資する事業活動を積極的に継続してまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。

令和7年6月
公益社団法人射水市医師会
会長  野澤 寛

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