公益社団法人射水市医師会

 3ヵ月健診が、平成20年4月から劇的に変りました。
 それは、今までの診察に加え、3ヵ月児全員に股関節エコー(超音波検査)を行うという事です。射水市では小児科医と整形外科医が協力して、3ヵ月健診―発育状態、斜頚・股関節脱臼の有無など―を行っています。
 以前は股関節脱臼が多く見られ、一生にわたり股関節痛に悩まされ、手術を要する例もありました。我々整形外科医が、早期発見・早期治療を開始することや、生後すぐに股オムツを指導を行うという地道な努力を続けることで、先天性股関節脱臼は激減しました。
 ところが、いつのまにか股オムツ指導は忘れ去られ(今現在紙オムツ全盛)、整形外科医が検診から離れていくようになり、最近股関節脱臼の見逃し例が見られるようになり、問題となりつつあります。
 従来、射水市では開排制限(股の開きが悪い)などのある乳児には、レントゲン撮影の精査をしていましたが、レントゲン被爆の問題もあり、できれば避けたいという考えもあります。
 そこで、全乳児にエコー検査を行い、異常がある場合のみ、親に十分説明し納得してもらいレントゲン撮影で精査し、早期に治療を開始することにしました。
 エコー検査は妊娠時にも使用され、レントゲン被爆などの問題も無く、極めて安全な検査です。
 また、診察時に正常と診断されても、エコーにて異常が発見されることもあり股関節脱臼検診にはとても有効な検査法と言えます。
 射水市では、生まれた子供が正常に健やかに発育することを念じ、整形外科医が小児科医と力を合わせて頑張る所存です。

 

文責 担当理事

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