公益社団法人射水市医師会

市民の皆さんへ

2012年度も子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの助成事業が継続されることが厚生労働省から発表されました。

子どもたちを重篤な疾患から守るため射水市医師会所属の医療機関では、一人でも多くの子どもたちにワクチン接種を実施していきたいと思います。
 ヒブワクチン、小児用ワクチンは一時的に見合わせの時期がありましたが、その後、厚生労働省の専門機関が様々な検討を重ね、平成23年4月1日から再開されました。それから1年以上経過し、全国的に大きな支障なくワクチン助成事業は行われています。


 「 小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの接種は安全なのでしょうか。」
という質問を、ときどきインターネットで去年の記事等を目にした保護者の方から、医療の現場でお聞きすることがあります。その時は、厚生労働省の見解をもとに以下のようにお答えしています。
「これらのワクチンは、海外で広く用いられているワクチンであり、我が国でも発売以来それぞれ100万人から150万人程度の子供に接種されたと推定されています。
  国内外の調査研究によれば、これらのワクチンを含む複数のワクチンを同時に接種した場合、発熱や注射した部位の腫れなどの軽い副反応が増加するという報告もみられますが、重篤な副反応の増加は報告されていません。なお、一般に、予防接種にはある程度の割合で発熱や注射した部位の腫れなどの軽度な副反応が、極めてまれに重篤な副反応が発生することがあります。 」

 一般に、ワクチンの接種は、発熱がなく、急性疾患にかかっていないときに行うべきものであり、医師による問診・診察や検温などを受けた上で行う必要があります。
普段からお子さんをよく知っているかかりつけの医師がいれば、その医師から接種を受けたり、その医師に相談するとよいと思います。

「小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンとの同時接種や、これらのワクチンと、DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンなどの、他のワクチンとの同時接種は安全なのでしょうか。 」

という質問を受けることもあります。
国内外の調査研究によれば、小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンを含む複数のワクチンを同時に接種した場合、発熱や注射した部位の腫れなどの軽い副反応が増加するという報告もみられますが、差がないとする報告も見られます。同時接種による重篤な副反応の増加は報告されていません。
欧米においても同時接種の安全性については問題ないとされ、同時接種は通常の方法として広く行われています。 このため、同時接種について、現在の知見からは、安全性についての問題はないと考えられます。
ワクチンの同時接種は、早く免疫をつけたり、接種を受けるための受診回数を少なくするために行われ、医師の判断と保護者の方の同意によって行うことができます。
なお、それぞれのワクチンを一つずつ単独で接種することもできます。
別の日に接種するには、原則として、小児用肺炎球菌・ヒブ・DPT(3種混合)などの不活化ワクチンの接種後は6日以上、BCG・ポリオなどの生ワクチン接種後は27日以上の間隔をおくことになっています。

 さらなるワクチン接種事業の普及のために皆さんのご協力をいただきたいと思います。
                            (担当理事)

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