子どもたちは危険な感染症から守られて育てられる必要があります。
抵抗力をつけるためワクチンをうけさせないという江戸時代の考えのような親御さんにたまに外来で出会いますが、ワクチンで免疫をつけたからといって抵抗力がつかないわけではありません。江戸時代はたくさん子どもをつくっても、ほとんどおとなまで育ちませんでした。
その理由は、現代ではほとんどありませんが、はしかや天然痘、結核などの伝染病で亡くなることが多かったからです。現代の死因の多くを占めるガンや脳卒中、心筋梗塞などで死ぬまで、生きていることができなかったのです。
生後3ヶ月からBCG、DPT(三種混合)、ポリオ予防接種をしてください。
インフルエンザ予防接種は6ヶ月から可能です。
MRワクチン(はしか、風疹)は1歳からです。
おたふくかぜ、水ぼうそうの予防接種も1歳からです。
日本脳炎予防接種は3歳からです。
参考http://e-appu.jp/toyota/column_byouki/nichinou.html
子どもを蚊から守ろう -日本脳炎ワクチンについて-
日本脳炎は、血液中にウイルスを保有したブタを吸血した蚊が人間を刺すことにより感染します。約1週間の潜伏期間を経て発熱、急激に発症します。頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害、重症の場合は昏睡になります。
死亡率は20~40パーセント、特に子どもや高齢者で高く、助かっても30~70パーセントに後遺症が残ります。日本脳炎を治す薬は無く、対症療法を行います。日本脳炎の予防にはワクチンが有効です。
平成17年までは3歳で2回、4歳で1回(基礎免疫)、小学校4年生で1回接種していました。4年生でできなかった時は5年生で、5年生でできなかった時は6年生でできます。全て無料です。
昭和30年代までは年間数千人の日本脳炎の患者さんが発生していました。ワクチンのおかげもあり、平成4年以降は年間10人未満にとどまっています。
山梨県の女子中学生が、日本脳炎ワクチンの副反応の一つである「ADEM(急性散在性脳脊髄炎)」を発症したため、国は平成17年5月、日本脳炎ワクチンの積極的な接種の勧奨の差し控えを自治体に勧告しました。
参考http://e-appu.jp/toyota/column_byouki/nichinou.html
これは保護者が日脳ワクチンの必要性を自分で熟考して、接種するかどうか決めて下さいということです。保健所や市、保健師に聞いても答えられないのは当然です。厚生省が(平成21年4月現在)勧めてはいけないと、言っているからです。それが、「積極的勧奨の差し控え」だからです。もうしばらくするとこの指導がなくなる可能性があります。現在も保護者が接種を決めて「同意書」を添付すれば医療機関で接種できます。
ヒブワクチンをしましょう
Hibワクチンが昨年(平成20年)12月よりできるようになりました。
「Hib」とは「ヘモフィルス・インフルエンザb型」という細菌のことで、略語が「Hib」です。この菌は髄膜炎、肺炎などの原因になります。細菌性髄膜炎の約50%がこの細菌が原因です。日本では年間600例位の発生があります。Hib髄膜炎は適切な治療を行っても、死亡率5%、 後遺症(てんかん、難聴、発育障害など)が20%にみられ、予防ワクチンの開発が待たれていました。
Hibワクチンは、現在世界100ヶ国以上で導入され、効果が認められています。
日本ではやっと平成20年12月よりワクチンができるようになりました。
しかし、ワクチンの数が少ないため医療機関を通じて製薬会社に登録し、接種することになります。 対象は生後2ヶ月から5歳までです。